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人がいる。恋愛小説がある。
3.
"知らなかった夫の顔3"
== 樋口眞奈 ==
それからも延々と相手を変え言葉を変え、卑猥な話を楽しんでいた夫。
保存したり何度も読み返したりしたので、納得して夫の携帯を
閉じた頃にはもう夕方になっていた。
疲れた・・ほとほと疲れ果てた。
私は夕食も作らず入浴だけして寝た。夫へは体調不良とメモに記して。
とても夫の食事を作ることも同じテーブルで食事を摂ることもできそうに
なかった。
布団に入る頃になると怒りよりも悲しみのほうが大きくなっていて、途方
に暮れた私は、小さな女の子のように背を丸めて泣きながら寝たのだった。
夫が不倫をしているのか、それとも気晴らしにただのLINE交換やら
デートくらいのことで終わらせているのか、私には判断が付きかねた。
翌朝起きると早出の夫はパンを焼きハムエッグにサラダを付けた皿に
ラップをし、プラス私への気遣いのメモまで付けて出社していた。
今は彼の受け止めきれないやさしさが目に染みる。
私は翌日勤務先で知り合いの旦那さんの話として昼食の時間に親しく
している男女にそれとなく話を振ってみて自分が何て世間知らずなのか
を思い知ることになった。
たまたまその日居合わせた男性4人と女性2人が口を揃えて言った。
40才で高収入、子供のいない既婚男性でたくさんの女性とすでに
デートにも何度も二人きりで行ってるなら、何もないなんて200%
無いないという話だった。
ただ楽しんでいるだけかもと言ったのは1人だけで、それも条件が
付いていた。よほど奥さんLOVEなら奇跡はあるかもね・・とのことだった。
でも裸に近い画像の遣り取りをしてやらしい会話も楽しんでるとかって
もうヤッてるって言ってるようなものじゃない?とも。
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ブログ村 恋愛小説(純愛) 15-13